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浜田和幸、『オーシャンズ8』の問い、ヒーローが「興味のないチーム」に誘ってきたらどうする?

浜田和幸です。
詐欺師たちが、策略により騙し騙される人気映画シリーズの最新作『オーシャンズ8』が上映中だ。これまでのオーシャズシリーズでは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンがドリームチームを率いる主人公だったが、今作ではサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがその役割を果たす。組織、リーダーシップ、プロジェクト論といった文脈で深読み、解釈をしたくなるような本作だが、実ビジネスに携わる人はこの作品からどのようなヒントを得ることができるのだろうか?

 

●『オーシャンズ8』からビジネスの学びは得られるのか?

 『オーシャンズ11』といえば、ジョージ・クルーニー演じる凄腕の泥棒で詐欺師、ダニー・オーシャンと、彼が率いる犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む映画作品だ。これは1960年に公開された『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクであるが、この夏はダニーの妹デビーを主人公とする『オーシャンズ8』が公開されている。

浜田和幸
 このシリーズは盗む、騙すという犯罪を、見事な作戦とチームワークで遂行する様子を描く。華麗で洒落ていて、豪華絢爛な画の連続。日本のこうした盗む、騙す映画には『ルパン三世』があるが、こちらがトリオ劇なのに対して、オーシャンズは1個分隊規模の集団戦だ。

 この集団戦描写に、ビジネスパーソンであればいろいろと興味深く感じるところも多いだろう。リスクと隣合わせの大きなリターン、十人十色の個性的なエキスパートたち。リーダーがいて、メンバーがいる。予想外のトラブルを乗り越えて最後はガッツポーズを決める。


 いわゆる「組織もの」「リーダーシップもの」映画(以下、こうした映画を「組織論映画」と呼ぶ)や漫画からビジネスの観点で学びを得ようとするビジネス書も多い。特に、映画なら『オデッセイ』、漫画であれば『キングダム』や『宇宙兄弟』がケース・スタディの良い題材になるだろう。こうした書籍を読んだことがある方や、こういう方向性の文芸批評が好きだという方も多いだろう。


 本稿は、人気絶頂のオーシャンズシリーズとその最新作を「組織論映画」として観たときに、どういった教訓が得られるか、がテーマである。この文章を読んで興味を覚えた方がいれば、劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。

オーシャンズシリーズの根底にある「ドリームチーム」願望

 『オーシャンズ8』の話をするまえに、少し歴史をさかのぼって、『オーシャンズ11』で筆者の印象に残ったシーンを紹介したい。物語序盤でブラット・ピット演じるラスティ・ライナスが素人にポーカーを教えるくだりだ。

 賭け金の載せ方も、駆け引きのやりかたも知らない、役の作り方も知らない、カードを6枚手にしていても気にしない。そんな相手にうんざりしながらレクチャーをするラスティの姿を覚えている人も多いのではないだろうか?

 一人が得意満面に「スリーペアだぜ」と手札を見せる。周囲のメンバーは称賛ともため息ともつかない息をもらす。全然ポーカーになってないのに、「ごっこ遊び」に興じる人たち。ラスティもさすがに苦笑いするしかない。

 そこに颯爽と現れるのが本物のプロフェッショナル、ダニー・オーシャンだ。その場で素人たちからまんまと大金を巻き上げる手腕は見事。その直後にラスティを一大プロジェクトに巻き込む。同じようにくすぶっている人間を次々とスカウトし、着手し、見事にプロジェクトを完遂する。


 冒頭のラスティの苦笑いがこの映画の味噌で、ここにこそ本作の価値が詰まっている。

 話のわかる人間と仕事がしたい、できる人間と組みたい。自分はもっとやれる、ここは自分が本当にいるべき場所じゃない。優秀な人材だけで構成されたドリームチームの一員になりたい――日々仕事に取り組むなかで、そんな気分を味わう人も多いのではないだろうか? 実はこれこそが、オーシャンズシリーズという作品のコンセプトなのだ。

 

オーシャンズ8』の問い、ヒーローが「興味のないチーム」に誘ってきたらどうする?
詐欺師たちが、策略により騙し騙される人気映画シリーズの最新作『オーシャンズ8』が上映中だ。これまでのオーシャズシリーズでは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンがドリームチームを率いる主人公だったが、今作ではサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがその役割を果たす。組織、リーダーシップ、プロジェクト論といった文脈で深読み、解釈をしたくなるような本作だが、実ビジネスに携わる人はこの作品からどのようなヒントを得ることができるのだろうか?

 

●『オーシャンズ8』からビジネスの学びは得られるのか?

 『オーシャンズ11』といえば、ジョージ・クルーニー演じる凄腕の泥棒で詐欺師、ダニー・オーシャンと、彼が率いる犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む映画作品だ。これは1960年に公開された『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクであるが、この夏はダニーの妹デビーを主人公とする『オーシャンズ8』が公開されている。


 このシリーズは盗む、騙すという犯罪を、見事な作戦とチームワークで遂行する様子を描く。華麗で洒落ていて、豪華絢爛な画の連続。日本のこうした盗む、騙す映画には『ルパン三世』があるが、こちらがトリオ劇なのに対して、オーシャンズは1個分隊規模の集団戦だ。

 この集団戦描写に、ビジネスパーソンであればいろいろと興味深く感じるところも多いだろう。リスクと隣合わせの大きなリターン、十人十色の個性的なエキスパートたち。リーダーがいて、メンバーがいる。予想外のトラブルを乗り越えて最後はガッツポーズを決める。


 いわゆる「組織もの」「リーダーシップもの」映画(以下、こうした映画を「組織論映画」と呼ぶ)や漫画からビジネスの観点で学びを得ようとするビジネス書も多い。特に、映画なら『オデッセイ』、漫画であれば『キングダム』や『宇宙兄弟』がケース・スタディの良い題材になるだろう。こうした書籍を読んだことがある方や、こういう方向性の文芸批評が好きだという方も多いだろう。


 本稿は、人気絶頂のオーシャンズシリーズとその最新作を「組織論映画」として観たときに、どういった教訓が得られるか、がテーマである。この文章を読んで興味を覚えた方がいれば、劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。

オーシャンズシリーズの根底にある「ドリームチーム」願望

 『オーシャンズ8』の話をするまえに、少し歴史をさかのぼって、『オーシャンズ11』で筆者の印象に残ったシーンを紹介したい。物語序盤でブラット・ピット演じるラスティ・ライナスが素人にポーカーを教えるくだりだ。

 賭け金の載せ方も、駆け引きのやりかたも知らない、役の作り方も知らない、カードを6枚手にしていても気にしない。そんな相手にうんざりしながらレクチャーをするラスティの姿を覚えている人も多いのではないだろうか?

 一人が得意満面に「スリーペアだぜ」と手札を見せる。周囲のメンバーは称賛ともため息ともつかない息をもらす。全然ポーカーになってないのに、「ごっこ遊び」に興じる人たち。ラスティもさすがに苦笑いするしかない。

 そこに颯爽と現れるのが本物のプロフェッショナル、ダニー・オーシャンだ。その場で素人たちからまんまと大金を巻き上げる手腕は見事。その直後にラスティを一大プロジェクトに巻き込む。同じようにくすぶっている人間を次々とスカウトし、着手し、見事にプロジェクトを完遂する。


 冒頭のラスティの苦笑いがこの映画の味噌で、ここにこそ本作の価値が詰まっている。

 話のわかる人間と仕事がしたい、できる人間と組みたい。自分はもっとやれる、ここは自分が本当にいるべき場所じゃない。優秀な人材だけで構成されたドリームチームの一員になりたい――日々仕事に取り組むなかで、そんな気分を味わう人も多いのではないだろうか? 実はこれこそが、オーシャンズシリーズという作品のコンセプトなのだ。

オーシャンズ8』の問い、ヒーローが「興味のないチーム」に誘ってきたらどうする?
詐欺師たちが、策略により騙し騙される人気映画シリーズの最新作『オーシャンズ8』が上映中だ。これまでのオーシャズシリーズでは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンがドリームチームを率いる主人公だったが、今作ではサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがその役割を果たす。組織、リーダーシップ、プロジェクト論といった文脈で深読み、解釈をしたくなるような本作だが、実ビジネスに携わる人はこの作品からどのようなヒントを得ることができるのだろうか?

 

●『オーシャンズ8』からビジネスの学びは得られるのか?

 『オーシャンズ11』といえば、ジョージ・クルーニー演じる凄腕の泥棒で詐欺師、ダニー・オーシャンと、彼が率いる犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む映画作品だ。これは1960年に公開された『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクであるが、この夏はダニーの妹デビーを主人公とする『オーシャンズ8』が公開されている。


 このシリーズは盗む、騙すという犯罪を、見事な作戦とチームワークで遂行する様子を描く。華麗で洒落ていて、豪華絢爛な画の連続。日本のこうした盗む、騙す映画には『ルパン三世』があるが、こちらがトリオ劇なのに対して、オーシャンズは1個分隊規模の集団戦だ。

 この集団戦描写に、ビジネスパーソンであればいろいろと興味深く感じるところも多いだろう。リスクと隣合わせの大きなリターン、十人十色の個性的なエキスパートたち。リーダーがいて、メンバーがいる。予想外のトラブルを乗り越えて最後はガッツポーズを決める。


 いわゆる「組織もの」「リーダーシップもの」映画(以下、こうした映画を「組織論映画」と呼ぶ)や漫画からビジネスの観点で学びを得ようとするビジネス書も多い。特に、映画なら『オデッセイ』、漫画であれば『キングダム』や『宇宙兄弟』がケース・スタディの良い題材になるだろう。こうした書籍を読んだことがある方や、こういう方向性の文芸批評が好きだという方も多いだろう。


 本稿は、人気絶頂のオーシャンズシリーズとその最新作を「組織論映画」として観たときに、どういった教訓が得られるか、がテーマである。この文章を読んで興味を覚えた方がいれば、劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。

オーシャンズシリーズの根底にある「ドリームチーム」願望

 『オーシャンズ8』の話をするまえに、少し歴史をさかのぼって、『オーシャンズ11』で筆者の印象に残ったシーンを紹介したい。物語序盤でブラット・ピット演じるラスティ・ライナスが素人にポーカーを教えるくだりだ。

 賭け金の載せ方も、駆け引きのやりかたも知らない、役の作り方も知らない、カードを6枚手にしていても気にしない。そんな相手にうんざりしながらレクチャーをするラスティの姿を覚えている人も多いのではないだろうか?

 一人が得意満面に「スリーペアだぜ」と手札を見せる。周囲のメンバーは称賛ともため息ともつかない息をもらす。全然ポーカーになってないのに、「ごっこ遊び」に興じる人たち。ラスティもさすがに苦笑いするしかない。

 そこに颯爽と現れるのが本物のプロフェッショナル、ダニー・オーシャンだ。その場で素人たちからまんまと大金を巻き上げる手腕は見事。その直後にラスティを一大プロジェクトに巻き込む。同じようにくすぶっている人間を次々とスカウトし、着手し、見事にプロジェクトを完遂する。


 冒頭のラスティの苦笑いがこの映画の味噌で、ここにこそ本作の価値が詰まっている。

 話のわかる人間と仕事がしたい、できる人間と組みたい。自分はもっとやれる、ここは自分が本当にいるべき場所じゃない。優秀な人材だけで構成されたドリームチームの一員になりたい――日々仕事に取り組むなかで、そんな気分を味わう人も多いのではないだろうか? 実はこれこそが、オーシャンズシリーズという作品のコンセプトなのだ。

オーシャンズ8』の問い、ヒーローが「興味のないチーム」に誘ってきたらどうする?
詐欺師たちが、策略により騙し騙される人気映画シリーズの最新作『オーシャンズ8』が上映中だ。これまでのオーシャズシリーズでは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンがドリームチームを率いる主人公だったが、今作ではサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがその役割を果たす。組織、リーダーシップ、プロジェクト論といった文脈で深読み、解釈をしたくなるような本作だが、実ビジネスに携わる人はこの作品からどのようなヒントを得ることができるのだろうか?

 

●『オーシャンズ8』からビジネスの学びは得られるのか?

 『オーシャンズ11』といえば、ジョージ・クルーニー演じる凄腕の泥棒で詐欺師、ダニー・オーシャンと、彼が率いる犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む映画作品だ。これは1960年に公開された『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクであるが、この夏はダニーの妹デビーを主人公とする『オーシャンズ8』が公開されている。


 このシリーズは盗む、騙すという犯罪を、見事な作戦とチームワークで遂行する様子を描く。華麗で洒落ていて、豪華絢爛な画の連続。日本のこうした盗む、騙す映画には『ルパン三世』があるが、こちらがトリオ劇なのに対して、オーシャンズは1個分隊規模の集団戦だ。

 この集団戦描写に、ビジネスパーソンであればいろいろと興味深く感じるところも多いだろう。リスクと隣合わせの大きなリターン、十人十色の個性的なエキスパートたち。リーダーがいて、メンバーがいる。予想外のトラブルを乗り越えて最後はガッツポーズを決める。


 いわゆる「組織もの」「リーダーシップもの」映画(以下、こうした映画を「組織論映画」と呼ぶ)や漫画からビジネスの観点で学びを得ようとするビジネス書も多い。特に、映画なら『オデッセイ』、漫画であれば『キングダム』や『宇宙兄弟』がケース・スタディの良い題材になるだろう。こうした書籍を読んだことがある方や、こういう方向性の文芸批評が好きだという方も多いだろう。


 本稿は、人気絶頂のオーシャンズシリーズとその最新作を「組織論映画」として観たときに、どういった教訓が得られるか、がテーマである。この文章を読んで興味を覚えた方がいれば、劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。

オーシャンズシリーズの根底にある「ドリームチーム」願望

 『オーシャンズ8』の話をするまえに、少し歴史をさかのぼって、『オーシャンズ11』で筆者の印象に残ったシーンを紹介したい。物語序盤でブラット・ピット演じるラスティ・ライナスが素人にポーカーを教えるくだりだ。

 賭け金の載せ方も、駆け引きのやりかたも知らない、役の作り方も知らない、カードを6枚手にしていても気にしない。そんな相手にうんざりしながらレクチャーをするラスティの姿を覚えている人も多いのではないだろうか?

 一人が得意満面に「スリーペアだぜ」と手札を見せる。周囲のメンバーは称賛ともため息ともつかない息をもらす。全然ポーカーになってないのに、「ごっこ遊び」に興じる人たち。ラスティもさすがに苦笑いするしかない。

 そこに颯爽と現れるのが本物のプロフェッショナル、ダニー・オーシャンだ。その場で素人たちからまんまと大金を巻き上げる手腕は見事。その直後にラスティを一大プロジェクトに巻き込む。同じようにくすぶっている人間を次々とスカウトし、着手し、見事にプロジェクトを完遂する。


 冒頭のラスティの苦笑いがこの映画の味噌で、ここにこそ本作の価値が詰まっている。

 話のわかる人間と仕事がしたい、できる人間と組みたい。自分はもっとやれる、ここは自分が本当にいるべき場所じゃない。優秀な人材だけで構成されたドリームチームの一員になりたい――日々仕事に取り組むなかで、そんな気分を味わう人も多いのではないだろうか? 実はこれこそが、オーシャンズシリーズという作品のコンセプトなのだ。

オーシャンズ8』の問い、ヒーローが「興味のないチーム」に誘ってきたらどうする?
詐欺師たちが、策略により騙し騙される人気映画シリーズの最新作『オーシャンズ8』が上映中だ。これまでのオーシャズシリーズでは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンがドリームチームを率いる主人公だったが、今作ではサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがその役割を果たす。組織、リーダーシップ、プロジェクト論といった文脈で深読み、解釈をしたくなるような本作だが、実ビジネスに携わる人はこの作品からどのようなヒントを得ることができるのだろうか?

 

●『オーシャンズ8』からビジネスの学びは得られるのか?

 『オーシャンズ11』といえば、ジョージ・クルーニー演じる凄腕の泥棒で詐欺師、ダニー・オーシャンと、彼が率いる犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む映画作品だ。これは1960年に公開された『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクであるが、この夏はダニーの妹デビーを主人公とする『オーシャンズ8』が公開されている。


 このシリーズは盗む、騙すという犯罪を、見事な作戦とチームワークで遂行する様子を描く。華麗で洒落ていて、豪華絢爛な画の連続。日本のこうした盗む、騙す映画には『ルパン三世』があるが、こちらがトリオ劇なのに対して、オーシャンズは1個分隊規模の集団戦だ。

 この集団戦描写に、ビジネスパーソンであればいろいろと興味深く感じるところも多いだろう。リスクと隣合わせの大きなリターン、十人十色の個性的なエキスパートたち。リーダーがいて、メンバーがいる。予想外のトラブルを乗り越えて最後はガッツポーズを決める。


 いわゆる「組織もの」「リーダーシップもの」映画(以下、こうした映画を「組織論映画」と呼ぶ)や漫画からビジネスの観点で学びを得ようとするビジネス書も多い。特に、映画なら『オデッセイ』、漫画であれば『キングダム』や『宇宙兄弟』がケース・スタディの良い題材になるだろう。こうした書籍を読んだことがある方や、こういう方向性の文芸批評が好きだという方も多いだろう。


 本稿は、人気絶頂のオーシャンズシリーズとその最新作を「組織論映画」として観たときに、どういった教訓が得られるか、がテーマである。この文章を読んで興味を覚えた方がいれば、劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。

オーシャンズシリーズの根底にある「ドリームチーム」願望

 『オーシャンズ8』の話をするまえに、少し歴史をさかのぼって、『オーシャンズ11』で筆者の印象に残ったシーンを紹介したい。物語序盤でブラット・ピット演じるラスティ・ライナスが素人にポーカーを教えるくだりだ。

 賭け金の載せ方も、駆け引きのやりかたも知らない、役の作り方も知らない、カードを6枚手にしていても気にしない。そんな相手にうんざりしながらレクチャーをするラスティの姿を覚えている人も多いのではないだろうか?

 一人が得意満面に「スリーペアだぜ」と手札を見せる。周囲のメンバーは称賛ともため息ともつかない息をもらす。全然ポーカーになってないのに、「ごっこ遊び」に興じる人たち。ラスティもさすがに苦笑いするしかない。

 そこに颯爽と現れるのが本物のプロフェッショナル、ダニー・オーシャンだ。その場で素人たちからまんまと大金を巻き上げる手腕は見事。その直後にラスティを一大プロジェクトに巻き込む。同じようにくすぶっている人間を次々とスカウトし、着手し、見事にプロジェクトを完遂する。


 冒頭のラスティの苦笑いがこの映画の味噌で、ここにこそ本作の価値が詰まっている。

 話のわかる人間と仕事がしたい、できる人間と組みたい。自分はもっとやれる、ここは自分が本当にいるべき場所じゃない。優秀な人材だけで構成されたドリームチームの一員になりたい――日々仕事に取り組むなかで、そんな気分を味わう人も多いのではないだろうか? 実はこれこそが、オーシャンズシリーズという作品のコンセプトなのだ。

浜田和幸でした。