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浜田和幸、AIは翻訳者の仕事を奪うのか? 翻訳クラウドソーシング会社が描く未来 

浜田和幸です。Google翻訳やエキサイト翻訳をはじめ、今や翻訳はネット上で気軽にできる時代になった。もはや人力による翻訳の仕事はAIに駆逐されてしまうのか。

 「機械翻訳の精度が上がっても、まだまだ人間の手は必要。AIは99%の作業は得意だが、最後の1%はまだ苦手」――翻訳クラウドソーシング事業を展開するベンチャー企業Gengo(東京都渋谷区)のチャーリー・ワルター氏(Head of Product)は、こう話す。「機械翻訳はライバルじゃない」
 Gengoは、全世界に2万1000人以上の翻訳者を抱える翻訳クラウドソーシングの会社。翻訳者になれるのは、同社のテストに合格した人のみ。また、品質管理を一部自動化するなどして、高品質かつ低価格な翻訳サービスを売りにしている。同社は、世界的に盛り上がっているAI市場に注目し、2018年1月からはAIの学習データを提供する事業に着手しているという。提供先は、米Amazon.comFacebook、LINE、NTTなど、音声合成自然言語処理などに注力するIT企業が中心で、機械翻訳ディープラーニングモデルの学習用に訳文データを提供するなどしている。例えば、Amazon.comから音声データを受け取り、Gengoが抱えるクラウドワーカーがデータのラベル付けなどをしてAIが分析できる形にデータを整え、Amazon.comに返す――という流れだ。これまで、人力の高品質な翻訳が自慢だった同社にとって、機械学習用のデータを提供することは自らの食いぶちをなくすことにはならないのだろうか。同社のマシュー・今井・ロメインCEOは、「機械翻訳はライバルじゃない」と話す。「画像認識の分野のように、AIが人間の認識精度を超える日はいずれ来るだろうが、まだ人が担うべき所は多い。翻訳前後で意味が通じているか、直訳しても通じないユーモアのある文章はどうか。意味の翻訳は当分人力になるだろう」

 ワルター氏が言う「AIが苦手な残り1%」は、専門性の高い作業を指す。例えば、医薬品などに関する内容やメーカーの安全性に関わる説明文、法律に関する文章などはまだ人間の手作業だ。同社は、9年間蓄積してきたノウハウと膨大な翻訳データを強みとしつつ、テクノロジーも活用することで、翻訳以外にも校正、コピーライティング、要約などビジネス支援の幅を広げている。「今後AIはさまざまな産業に普及するが、開発段階、生産段階のそれぞれでまだ人間の手を借りる必要がある。Humans-in-the-loop(人間参加型)という考え方がますます浸透していくだろう」(ワルター氏)

 浜田和幸でした。