浜田和幸のブログ|何も変わらない毎日に疲れたあなたを癒したい浜田和幸プレゼンツ

浜田和幸が話題のニュースを取り上げてつぶやいています。

浜田和幸、リンツのチョコレートにはまる

浜田和幸です。

1879年。ベルン(スイス)の薬剤師の息子、ロドルフ・リンツはチョコレートを作ることを夢見ていました。当時のチョコレートがどんな物だったかご存知でしょうか?処理・加工も非常に難しく、とても硬かったため、何度も何度も噛まなければなりませんでした。柔らかくて、味わい深く、五感で喜びを感じられる物とはほど遠かったのです。しかし、ある夜転機が訪れました…。

浜田和幸
と言っても、実際にはそんなに急速に物事は進みませんでした。菓子職人で美食家だったロドルフ・リンツは、硬くない、舌が喜ぶチョコレートを作りたいと思っていました。そこで、彼は旧式な機械を備えた古い工場を購入しました。ベルンの人々は彼の行動に驚きを表しましたが、ロドルフは気にしませんでした。工場を購入してから何度も試行錯誤を繰り返しましたが、全く上手く行かず、それどころか、チョコレートの塊の上に白い層ができてしまいました。ベルンの人々はそんな彼に冷笑を浴びせました。

そこで、父のように薬剤師として働いていた彼の兄弟、オーギュストが白い層を分析し、それが無害な結晶化した脂肪分だということが判明しました。ロドルフは夜更けまで実験に勤しみました。カカオ豆の量を増やしたり、カカオバターを温めたり、それまで誰も試みたことのない細かい調整を行いました。レシピを考案しては試す日々が続きましたが、彼が求める理想のチョコレートには一歩も近づくことができませんでした。
「完成間近」なんて冗談でも言えませんでした。
ある金曜日の夜、裕福な家庭で育ったボンボンとして皆に軽視されていたロドルフ・リンツは、その日の仕事を投げ出し、あろうことか機械の電源を入れたまま帰宅してしまいました。急いでいたのか、敢えてそうしたのか、何かの予感がしたのか、それともちょっとした反抗的行為だったのか分かりませんが、機械は週末中ずっと稼働し続けました。

 

浜田和幸でした。